野球をするうえで、伸ばしたい能力はたくさんあると思います。今回はバッティング時のスイングスピードを上げるトレーニング方法について書いていきたいと思います。
トレーニングの効果とは
まずは、トレーニングの位置づけについて触れていきます。
ここでは、トレーニングは野球での技術練習を除いた個人でのレジスタンストレーニングのことを指します。
トレーニングを計画的に行うことで、身体の筋力が強くなります。身体の筋力が強くなることで、例えば今まで80%の力でプレーをしていたのが60%でできるようになります。そうなると、1回1回のプレーの負荷が減っていきます。結果として、技術練習の量と質を増やすことができるようになります。
ただ、筋力を強くすることで感覚のズレはほぼ確実に起こります。それをなくすために、技術練習は存在します。バッティングでいえば、バットをスイングすることは絶対に必要です。その工程を怠るようなアスリートは淘汰されるでしょう。
トレーニングでできることは、技術練習を行いやすくするための身体的な土壌を作るところまでです。なので、技術練習は外さないようにしてください。それを理解したうえで、次の項目を読んでいただけたらと思います。
スイングスピードを上げるためのトレーニング
ここでは、スイングスピードを上げるための基礎トレーニングについて書いていきます。
まずはデッドリフトです。
これは高身長の選手に多いのですが、ヒップヒンジ(お尻がつきだしたような感覚)が無意識に即座にできないと、全身の力をバットに伝えることは難しいと思います。ヒップヒンジを無意識でできるようにするためにも、ナロースタンスのデッドリフトを私は推します。1セットを3回までにして、手のひらを守りながら(トレーニンググローブやストラップ)していきましょう。
次に、足をしっかり広げた状態でのワイドスクワットを推します。
なぜかというと、足の裏の重心の感覚も養ってほしいからです。ステップを踏むにしろ踏まないにしろ、足の裏の重心が定まっていないようだと、強いスイングなんて到底できません。怪我のリスク等も考えて、痛みが出ない程度までしゃがんで切り返す方法を採ってみてください。
重さと可動域のうち、優先するのは可動域です。あくまでも、手段であって、重いものを挙げることが目的ではありません。1セット5回を目安にしてみてください。
3つ目にナロウグリップのベンチプレスです。
なぜ、ナロウグリップかというと、ただでさえ野球は肩の負担が大きいスポーツです。ワイドグリップにすることで、肩のトルクが大きくなりすぎて痛めてしまうことは避けなければなりません。反対にいうと、それだけのリスクを払っても必要な種目のなので、必ずスポッター(補助)をつけて行ってください。1セット5回を目安にしてみてください。
4つ目が、チンニングです。
要するに懸垂です。肩の傷害のリスクを減らすという意味でも行うべき種目です。ベンチプレスで扱っている重さと体重プラス加重分が釣り合うように心がけましょう。1セット5回を目安にしましょう。
本来はこの4つで事足りるのですが、あと1つだけ加えることで技術練習への移行がスムーズになる種目があります。
それが、ラテラルスクワットです。
ラテラルスクワットを行うことで、横への重心移動がスムーズになります。ハイバースクワットと合わせて行うことで、一番力が発揮できる重心の位置をつかむことができます。片方5回ずつを目安にしましょう。
この種目は、重さを増やすことを必要としません。ほかの4種目は無理のない程度に増やしましょう。
最後に、トレーニングを集中して行うことはいいことですが、フォームが崩れるまでの重量設定をしたり、怪我を押してまでする必要はありません。トレーニングで大事なことは、怪我のリスクを最小限に抑えたうえで良いパフォーマンスができるような環境にすることです。そのことを念頭に入れながらトレーニングに励んでいただけたらと思います。
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