トレーニングをがんばると、鍛えた部位が大きくなっているように見えるときがあると思います。その状態のことをパンプアップ状態といいます。今回は、パンプアップについて書いていきたいと思います。
パンプアップとは何か
まずは、パンプアップとは何なのかについて触れていきます。
上でも軽く書きましたが、トレーニング後に起こる筋肉の膨張のことをパンプアップといいます。おもに、ボディビルやフィジークのコンテストなどで評価を上げたいときに用います。
また、トレーニングの追い込み加減を測る一種のバロメーターとして利用している人もいます。
良く用いられるのが、胸のトレーニングをした後に、両手の小指と肘をくっつけることができるかどうかで胸の筋肉の損傷具合を測るといった方法です。(胸がパンプアップしていると、両方の肘を自分でつけることができない)もし、肘がまだくっつくようなら、パンプアップが不十分ということでトレーニングを続ける、といった形で使われます。
パンプアップはどちらかというと、ボディビルディング的な用語といえるでしょう。
というのも、動きづくりのトレーニングとしては、パンプアップによる一時的な可動域の減少や筋力の減少はスポーツの動作にマイナスになってしまうことがあるからです。むしろ、スポーツではパンプアップをさせない取り組みが必要になります。
パンプアップが起こるメカニズム
次にパンプアップのメカニズムについて書いていきます。
トレーニングを行うことで、筋肉は様々な物質を生み出します。
その物質は体内の水分の行き来を促す性質を持っていて、物質自体が筋肉の繊維の間に入り込んで、筋肉を「水ぶくれ」状態にします。
筋肉の繊維の間の空間が埋まっていくことにより、筋肉全体が膨らんでいく状態がパンプアップ状態であるという説が今は有力です。
少し前までは、血液が関係しているという説が有力だったのですが、(私も血液が関係していると教えられました)今では上の説が有力だといわれています。
パンプアップの効果
ここでは、パンプアップがもたらすものについて書きます。
トレーニングによって、様々な物質を生み出すことは上でも書きました。
その物質が筋肉内に留まることにより、成長ホルモンの分泌が高まり、結果として筋肉量の増加が期待できるといわれています。
つまり、パンプアップは筋肉量の増加に関係しているといえます。
パンプアップを起こすための方法
最後に、パンプアップを起こしやすくする方法を書いていきます。
基本的に、パンプアップは単関節運動種目をやり込むことで起こすのが一般的です。
単関節運動種目とは、サイドレイズやレッグエクステンションといった、ひとつの関節のみを動かすことで特定の部位を個別に鍛える種目のことをいいます。
反対の概念として、多関節運動種目があります。これはスクワットやショルダープレスといった、複数の関節を動かすことで全体的に鍛える種目のことをいいます。大きい力が扱えるので、スポーツの補強などに使われることが多い種目です。
基本的なトレーニングの流れでいうと、多関節運動種目を最初に行い、単関節運動種目で仕上げをするという形をとります。この単関節運動のタイミングでパンプアップを狙うのがポイントになります。
単関節運動種目で扱うことができる重量は多関節運動種目のそれと比べて、はるかに小さいものだと思います。パンプアップでは、次の回数ができなくなるまで筋肉を追い込むことが重要なので(パンプアップだけなら重量は大きな要因ではない)、軽い重量で追い込みをかけた方が安全性は高くなります。これが、単関節運動種目がパンプアップに向いている理由です。
また、水分補給の大事なポイントのひとつです。そもそも、体内に水分が少ない状態だと、筋肉の繊維の中に水分はあまり溜まりません。水分補給をしっかり行うことで、パンプアップは起きやすくなります。
以上で、パンプアップについての大まかなことが理解できたと思います。ただ、研究によってセオリーが変わるのがフィットネス業界の常なので、新しい情報があれば頭の中をアップデートしてみてください。
コメント