肩を全体を鍛えるトレーニングといえばショルダープレスという種目です。
今回はそんなショルダープレスの効果的な方法や注意点などを解説していきたいと思います。
ショルダープレスの方法とフォーム取り方
ショルダープレスは、立った状態かベンチに座った状態でバーベルなどを上に押し上げることで上半身を鍛える種目です。
おもに肩に筋肉である三角筋と腕の裏にある上腕三頭筋を使います。ある程度の段階になると体勢を維持するための胴体部の筋肉群も使うようになります。
バーベルを使ったショルダープレスのフォームは、肩幅よりも少し広い手幅で上からバーベルを持ち、肘を返して鎖骨の上にバーベルを乗せた状態から、腕を真上に伸ばしてバーベルを挙げるという動作です。
ダンベルを使ったショルダープレスのフォームは、ダンベルの内側の端を肩につけた状態から、二の腕が耳の隣に来るまで腕を真上に伸ばすようにしてダンベルを挙げます。ダンベルでのショルダープレスは、バーベルでのそれよりも三角筋の収縮が強いという特徴があります。
ショルダープレスを行う上で、バーベルなどの負荷の向きがどのようになっているかをイメージすることが大事になります。
バーベルやダンベルといったフリーウェイトはいつでも負荷は真下にかかります。真下にかかる負荷にどのように抵抗するかで鍛える部位は変わってきます。ショルダープレスに関してはメインが肩の筋肉なので、前腕や上腕にかかる負荷は最小限にするべきです。負荷に対して抵抗の力の向きがずれてしまうと力のロスにつながります。ショルダープレスの場合、抵抗の力の向きを担う身体の部位は前腕です。よって、前腕が床に対して垂直な状態が望ましい状態といえます。
前腕が床に対して垂直な状態にするためには、バーベルであれば肩幅よりも広くする必要があります。それよりも狭いと胸部が肘の軌道の妨げになるからです。ただ、あまり広げすぎても前腕が垂直にはならないので、注意が必要です。みなさんにとって、しっくりくる手幅を見つけてみてください。
ショルダープレスの効果は?
ショルダープレスがもたらすものは大きく分けて2つあると私は考えます。
まず1つめは、冒頭でも触れましたが上半身のアウトラインがよりよく見えるようになることです。
ショルダープレスで刺激する部位は、肩と上腕後部です。上半身のアウトラインはその2つによって決まるので、同時に鍛えることができるショルダープレスはまさに上半身のアウトラインを整える種目だといえます。
もう1つは、ショルダープレスはスポーツへの応用が利きやすいということです。
腕で押す動きはどのようなスポーツでも使います。また、立位にしろ、座位にしろ、ショルダープレスは足の裏から膝、腰、胴体、肩、肘、手首までが上手く連動しないと高重量を扱うことができない種目です。裏を返せば、高重量が扱うことができるようになれば、全身の連動性が向上していることになります。特に投擲や格闘技をされている方は効果を実感しやすいのではないかなと思います。
以上の2つのものがショルダープレスがもたらすものです。
ショルダープレスは僧帽筋を使いすぎない!!
ここでは、ショルダープレスを行なううえで最も難しいことについて触れたいと思います。
ショルダープレスで最も難しいこととして、僧帽筋を使いすぎないというものがあります。首が縮こまっている状態で行うショルダープレスは僧帽筋を使いすぎているので、肩や腕は効かずに首の後ろばかりに効いてしまいます。このフォームで続けていくと、肩を痛めてしまうリスクがかなり高くなります。
僧帽筋は身体の中心から肩にかけて伸びている巨大な筋肉です。本来は重いものを持ち上げたり、肩をすくめたりすることで使われる筋肉です。肩が本来の位置にないときに活発に働く筋肉です。つまり、肩が本来の位置にあるときはあまり活発には使われない筋肉といえます。さらにいえば、肩が本来の位置にある状態でのショルダープレスは僧帽筋をあまり使わない理想的なものだということです。
それでは、肩の本来の位置はどこなのかということについて書きます。
股関節と耳穴と結ぶ線が床に対して垂直になっていて、股関節と耳穴の間に肩が来ているのが理想的な姿勢です。このときの肩の位置が本来の肩の位置です。みぞおちとへその距離を遠ざけることで、この状態に近くなります。それでも僧帽筋に効いてしまうようでしたら、胸部のストレッチが必要になります。
それでは、胸部のストレッチのうち、手軽なものをここで紹介したいと思います。手のひらを顔側に向けて、両手の前腕の小指から肘にかけてをぴったり付けた状態で肘を鼻の高さに来るように持ち上げます。このとき、背中をまっすぐにします。この状態を10秒間キープすることで、肩の位置が本来の位置に来やすくなります。このストレッチはベンチプレスのときに肩が痛い方にもおすすめです。
ショルダープレスは、少し気を付ければとても楽しい種目です。みなさんもぜひやり込んでみてください。
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