サッカー選手だけではないですが、スポーツ選手にとって「体が資本」ですよね。
今回は効果的な体づくりのために、サッカー選手が行いたい基本の体幹トレーニングを紹介していきます。
体幹トレーニングをおこない、競技力・パフォーマンスアップやケガ予防に活用しましょう。
サッカーで体幹トレーニングをする効果は?
なぜサッカーに体幹トレーニングが必要な理由は多々あります。
体幹トレーニングを行うと得られる効果は簡単に上げると以下の5つになります。
・身体の安定
・力の伝達がうまくなる
・怪我防止
・動作の連動性を高める
・その他のトレーニング効果をあげる
まず、体幹は身体の安定を支える役割を果たします。
サッカーのプレー中、体が安定すれば、体勢を立て直すのが早くなり、崩されそうになった時に素早くフットワークしても姿勢が崩れません。
そして、バランスが崩れない・いい姿勢を保っていられることで体力の消耗を抑えられるなど非常に多彩な効果があります。
それだけ、体のバランスを保てるということはサッカーの動きでは大事な要因になるわけです。
体幹は下半身から生まれるエネルギーを上半身に伝える働きがあります。
もし、体幹が弱かったりうまく使えなければせっかく下半身で作ったエネルギーがうまく伝わらなくパワーがでない原因になります。仮にシュート一つであっても足の筋肉だけでボールを蹴るわけではありません。全身の筋肉をバランス良く動員する事で、正確で強いキックを蹴ることが出来るのです。
そのためには筋肉の連動性や軸の安定性が欠かせません。
ですから、エネルギーの効率を良くするために体幹を鍛えたり上手く連動させたりする必要があります。
体幹トレーニングというと当たりを強くするという感覚の人も居るかもしれませんが、それだけではなく、サッカー全般に渡るフィジカル能力向上につながるようになります。また、テクニック向上にもなります。
例えば、体幹が強くなることでバランスが良くなります。そうすることで、下記の様ないいプレーの作用がでてきます。
・走る動作が良くなり、走るスピードが速くなる
・キック力が増す
・強いあたりをされながらでもボールコントロールが出来るようになる
・1対1で相手の素早いフェイントや動きにもバランスを崩さずに反応出来るようになる。
このように、体幹が強くなるという事は、選手の各テクニックやスキル面やフィジカル面の底上げにもなるというのもわかると思います。特に試合などの実践的場面においては激しいコンタクトやプレッシャーは当たり前です。そして、その場面においても選手のパフォーマンスを発揮するためには「体幹を鍛える」というのは凄く大事な事なのです。
また、体幹トレーニングを行うことによって他のトレーニングをより効果が上がることがわかっていますよ。
サッカーのための体幹トレーニングの注意点
実際に体幹トレーニングをメニューに入れる際には、体幹部のインナーマッスルである腹横筋を特に意識することや体幹の機能やを上手く引き出す鍛えることを意識してください。
これらを、意識できなければ体幹トレーニングではなく体幹トレーニング風になってしまいます。
体幹をトレーニングして鍛えるというと、腹筋と背筋をトレーニングするというイメージがありますが、体幹の中にはいくつも筋肉があります。
そういう点で言うと、腹筋が割れたとか、背筋が大きくなったというだけで体幹のトレーニングを評価するのは正しいあり方ではありません。
むしろ、どれだけ機能的に使えるようになったかを見るようにしましょう。
そのためには色々な動きを混ぜた体幹トレーニングも行っておくといいと思います。
では、サッカー選手が行いたい体幹トレーニングのメニューを紹介していきます。
サッカーのための体幹トレーニングメニューや方法
今回紹介するのは下記の基本的なメニューですが、腹横筋を使うためにおこなうドローインができないと意味がないので、まず、ドローインをしっかり覚えてください。
1 ドローイン
2 フロントブリッジ
3 サイドブリッジ
4 レッグヒップアップ
5 ロータリー
ドローイン以外は、各種目30秒を行いましょう。
フロントブリッジ → サイドブリッジ → レッグヒップアップ → ロータリー
の順番で1セットとして、これを2〜3セットを行いましょう。
また、メニューは小学生用のバージョンもありますので小学生はそちらを最初おこなうといいですよ。
体幹トレーニングの基本 ドローイン
ドローインとは、お腹を凹ませることで、腹部のインナーマッスル=腹横筋を鍛えるトレーニングになります。
体幹トレーニングを行う上では最重要トレーニングになりますので、必ずマスターしましょう。
また、ネイマール選手がドローインをする瞬間を発見したときの記事がありますのでそちらも読んでみるといいかもしれません。
ドローイン《仰向けVer》方法
10秒 × 3回
仰向けで息を吸い吐きながらお腹を凹ましていくトレーニングになります。
1、両ひざを立てて仰向けになりましょう。
2、両手を骨盤の3cm内側に手をのせます。
3、鼻で息を吸いながら腹部を膨らませていき、10秒かけて息を吐きながら腹部を凹ませていきます。
4、同じようにゆっくりと3を繰り返し行います。
フロントブリッジ
フロントブリッジとは関節を固定する感覚を学習するトレーニングです。体幹全面の腹直筋や、腸腰筋、大腿直筋による体幹の固定をします。サッカーのインテル長友佑都選手で知っている方も多いとおもいます。
スタートは、うつ伏せになって、両肘をつきましょう。しっかりドローインをするようにお腹を凹ませましょう。
無理やり持ち上げると、インナーにきかずに、アウターの腹直筋しか効果は生まないのでしっかり、ドローインして腹横筋に力をいれてる意識を持ちましょう。
足首、膝、骨盤、肩が1直線になるように身体を持ち上げるようにしましょう。
ダメな状態は以下の画像のようにお尻が上がったり、
また、下記画像のようにお尻が下がりすぎもダメです。腰を痛める可能性が高くなります。
また、上から見た写真で、こちらはOKです。体の軸がしっかりまっすぐに保たれています。
左に寄ってしまっているのはわかりますか?この辺の見極めが大切になります。
サイドブリッジの実践
関節を固定する感覚を学習するトレーニングです。体幹側面の腹斜筋群や、腰方形脊柱起立筋群、中臀筋による体幹の固定をします。上記の写真は手をついていますが、今回は、肘でキープするバージョンを紹介します。
しっかりドローインをするようにお腹を凹ませる。
無理やり持ち上げると、インナーにきかずに、アウターの腹直筋しか効果は生まないのでしっかり、ドローインして腹横筋に力をいれてる意識を持ちましょう。
両足首の間、両膝の間、体幹の中央が1直線となるように身体を持ち上げます。
また、上からみてもまっすぐになっていればOKです。
お尻が出てしまったりのけぞるような状態はNGになります。
次のページでは、レッグヒップアップ、ロータリーの方法についてになります。
コメント
こんばんは、少年サッカーの指導(主に3,4年生)をしています。
指導している4年生の男の子の走り方が変わっていて、顔を前に突き出して、腰が前に折れた状態で走っています。
保護者に聞くと、幼稚園の頃から走り方が変わっていないとのこと。
サッカーのプレーもその体制で行っているので、すごくやりにくいと感じています。
体幹トレーニングをしたほうがいいのかわかりません。
病院には、行ってないようです。
もし、体幹トレーニングをしたほうがいい場合は、どれをさせればいいのか、アドバイスをお願いします。
野尻小太郎 様
コメントいただきありがとうございます。お返事が遅れてしまったこと申し訳ありません。
指導の現場ですごく難しい問題ですよね。
走り方が悪いとスピードやテクニックにも影響しますし、もしかしたら怪我にもつながる可能性がありますしね。
そのような状況の時には一番はアスレッティックトレーナーなど、スポーツに特化したようなトレーナーにその子の状況をみていただくのが一番理想です。
例えば、
・どこかの筋肉のバランスが悪い
・姿勢はどうか?
・歩き方はどうか?
・筋力が弱い?
・使うべきところが使えていない
・単純に体の使い方ができていない
など、本当は調査しなくてはいけないところがあります。そういった意味で、専門家の視点なども本当は必要かなと思います。
ただ、変わった走り方の子供にも体幹トレーニングは必要だと思います。
その時には体幹の軸(背骨のライン)の意識とドローインが大切です。
体幹トレーニングならば簡単なドローインやフロントブリッジ・サイドブリッジ・ヒップアップがよいと思います。
体幹トレーニング後、その状態を意識をしながらのSAQトレーニングなどもオススメですね。
野尻さんがよければ、野尻さんの今回のコメントを引用させていただき記事を書かせていただいてもいいでしょうか?