ベンチプレス、フロントプレスに次ぐ上半身の押す種目のうちのひとつにバックプレスがあります。今回はバックプレスを紹介したいと思います。
バックプレスをこれからトレーニングメニューに取り入れてみようかなと思っている人は導入として、すでに取り入れてはいるもののうまくいっていない人には確認として読んでもらえたらと思います。
バックプレスの方法
バックプレスはバーベルを使った種目で、主に三角筋や上腕三頭筋、僧帽筋などを鍛えることができます。
ここでは、座位(シーテッド)でのバックプレスについて書いていきます。
ベンチに座った状態でバーベルを上から持ち(オーバーハンドグリップ)一度上にバーベルを持ち上げてから、肘が90度になるまで頭の後ろにバーベルを下ろします。
肘が90度になるまでバーベルを下ろしてから、バーベルを真上に押し出します。
この動作を1セットにつき10回から15回を3セットを目安に行ってみましょう。
バックプレスの方法 まとめ
1.ベンチに座り、バーベルを一度上まで持ち上げます。
2.バーベルを頭の後ろを通過させ、肘が90度になるまで下ろします。
3.バーベルを肘が伸びるまで上に押し上げます。
4.10~15回3セットを目安に行います。
バックプレスを行う上でのポイント セッティング
ここでは、バックプレスを安全で効果的なものにするためのポイントについて書きます。特にセッティングが肝要だと私は考えています。なぜなら、バーベルが頭の後ろを通過する種目はバーベルを操作するのが難しく、少しのズレが怪我につながると私は考えているからです。
まずは、グリップの幅についてです。グリップの幅がわからないことにはラックのセッティングができません。
グリップの幅は肩幅と上腕の長さを合わせた幅がいいでしょう。その幅にすることで、バックプレスの動作をスムーズにすることができます。というよりも、肩幅と上腕の長さを合わせた幅よりもグリップ幅が狭くても広くても動作がしづらいと思います。
手幅が決まったところで、次にラックアップについて書きます。
ラックを調節する際は、ラックからバーベルを外す際に腕がある程度伸びた状態からできるように調節するといいでしょう。
なぜ、腕が伸びた状態から外せるくらいの高さのラックにした方がいいかというと、いきなりボトムポジションから力を発揮するのは難しく、一番上の状態(トップポジション)からいったんバーベルを下ろしてから持ち上げる方が力は発揮しやすいからです。この仕組みのことをSSCといいます。
次にベンチの置く位置についても触れます。
ベンチはなるべくラックの真中に、かつ斜めにならないように置きます。当たり前のことと思われるかもしれませんが、ラックアップの際に起こりうる怪我のリスクを軽減するという意味でも大事なことなのでおろそかにせずにしていきましょう。
たまにアジャスタブルベンチを90度近くにして採用する方を見かけるのですが、個人的にはおすすめしません。
理由としては、アジャスタブルベンチにバーベルが当たる可能性がゼロではないからです。バーベルがベンチに当たると、軌道が変わり危険性が高まると私は考えています。
最後に、絶対に鏡の前でバックプレスを行いましょう。鏡がないとバーベルをコントロールするのは困難だからです。
バックプレスを行う上でのポイント 姿勢
バックプレスを行う上でセッティングのほかにポイントになるものとして姿勢が挙げられます。姿勢によっては、バックプレスができないということも起こります。
そもそも、バックプレスは姿勢のいい人でないと向いていません。肩が前に来てしまっている円背と呼ばれる状態の方には特に向いていません。そういった方はバックプレスのフォームだけでも肩がきついでしょうし、無理して行ったとしても怪我をするだけです。私もそれが原因で一度肩を痛めました。
怪我をしないためにも、まずは上背部のトレーニングをするなりして円背を直すことから始めてみてください。バックプレスはそれからです。
バックプレスの効果
上で述べた通り、バックプレスを行う上でのポイントは非常に多く存在します。
それでも、バックプレスには他の種目にはない効果があります。
まずは、大胸筋をあまり使わずに押す筋力を高めることができます。
ベンチプレスやフロントプレスでは筋力の大きい大胸筋の関与が大きく、比較的筋力が大きくない肩や腕の筋力を養うことが難しいことがあります。
そこで、バックプレスを行うことで肩と腕の筋力を養うことができます。パワーリフティングの神様といわれているエド・コーンはバックプレスをやり込むことで、ベンチプレスの記録を向上させたといわれています。
個人的な感想ですが、バックプレスを行うことで、スクワットでのスティッキングポイントの通過がしやすくなるような感覚もありました。これは私だけかもしれません。
また、ボディビル的な考え方だと、バックプレスを行うことでトレーニングサイクルを組みやすくすることができるようになります。具体的にいうと、バックプレスの導入により、胸の日と肩の日を分けやすくすることができるということです。
みなさんもバックプレスの特性を理解したうえで行ってみてください。
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