野球をするうえで、痛めやすい部位のうちのひとつとして肩が挙げられます。
肩は投球動作はもちろん、スイングや捕球動作にもよく使われます。使用頻度が多い部位なので、とても痛めやすい部位だといえます。
そこで、今回は肩を強化するトレーニング方法について書きたいと思います。
肩の強化方法 アームバー
まずはアームバーを紹介します。
アームバーはダンベルやケトルベルを使った仰向けで行う肩のトレーニングです。ダンベルもケトルベルもなければ、ペットボトルでもかまいません。
動作としては、仰向けになった状態で片方の手で重りを真上に持ち上げます。
このとき、重りの真下に肘と肩が来ていることがポイントです。
次に、重りを持っていない方の腕を真っ直ぐ伸ばした状態で床に置きます。
このとき、二の腕が耳のとなりに来るようにします。これでセット完了です。
その状態から、重りを持っている方の膝を反対側の脚の外側に移動させておへそを床につけます。
このときも、重りを持っている腕は床から垂直の状態を保つようにします。私の感覚では、重りを持っている腕以外が捻れてるイメージを持つとやりやすいです。
以上の動作を片方2回ずつを目安にゆっくり行いましょう。
アームバーの方法まとめ
1.仰向けになり、片手で重りを持ち上げます。
2.もう片方の手は耳のとなりに伸ばします。
3.重りを持っている側の脚を交差させます。
4.床にお腹がつくまで、身体をねじります。
5.片方2回ずつを目安にゆっくり行います。
肩の強化方法 ハーフゲットアップ
次に、ハーフゲットアップを紹介します。
ハーフゲットアップはアームバーよりも使用重量が重くしやすいので、肩回りの強化にはもってこいの種目です。
仰向けになり、重りを持っている方の腕を真上に挙げるところまではアームバーと同じです。
違うところは、重りを持っている側の膝は曲げた状態で脚の裏を床につけ、反対側の腕と脚は正中線からななめに置くところです。
このとき、腕を少し足側に置くと動作がしやすくなります。手のひらを床に向けて置いたところでセット完了です。
次に、重りを持っている側の足と持っていない側の肘で床を押すようにして、身体を起こします。
このとき、重りを持っていない側の肘の真上に肩が来るようにします。
最後に、重りを持っていない側の手のひらで床を押してさらに身体を起こします。私の感覚では、重りを少しずつ上に突き上げる感覚を持つとやりやすいです。
この動作を片方3~5回を目安にゆっくり行いましょう。
ハーフゲットアップの方法 まとめ
1.仰向けで重りを持ち、膝を立てて足を置きます。
2.重りを持っていない側の腕と脚をななめに伸ばします。
3.重りを持っていない側の肘を支点にして起き上がります。
4.重りを持っていない側の手のひらで床を押してさらに身体を起こします。
5.片方につき3~5回が目安です。
アームバー、ハーフゲットアップの効果
アームバーやハーフゲットアップを行うことで、肩周りの筋肉に様々な角度から刺激を与えることができます。部屋の角を綿棒で掃除をするときの感じに似ていると個人的には思っています。
様々な角度から刺激が入ることで、肩の位置が自然と本来の位置に収まる形になり怪我のリスクが少ない姿勢になります。
特に、投球動作でのテイクバック時やスイング時の肩の負担が軽減されるようになります。
私の指導経験上、中学生まではアームバーなら1~4kg、ハーフゲットアップなら4~8kgを目安にしていました。
高校生以上はアームバーは4~8kg、ハーフゲットアップなら8~20Kgぐらいを目安に扱ってもらいました。
タイミングとしては、試合前のウォーミングアップや試合後のクールダウンとしてよく採用していました。
採用した結果、ピッチャーの肩の怪我が大幅に減りました。ピッチャーをしている方はやったほうがいいと思います。
また、ウエイトトレーニングをしている方にも有効です。これを行うことで、私はベンチプレスとミリタリープレスでの停滞を打破することができました。
肩のトレーニングの注意点
最後に、肩のトレーニングにおける注意点について触れます。
上で述べた2つの種目に共通していえることなのですが、重量設定を間違えないようにしましょう。もっと具体的にいうと、重りを持った時点で腕が震えてしまうような重りは使わないようにしましょう。肩をかえって痛めたり、顔に落ちたりして、怪我をするリスクが高くなります。
そもそも、アームバーとハーフゲットアップでの身体と上腕骨の角度は普段の生活では負荷がまずかからない角度なので、それほどの負荷を必要としません。様々な角度から負荷を与えて、弱いところをなくすことが肩を強化するうえで大事なことであり、そのことが肩の怪我の予防につながります。
最初のうちは、こぶしの上に錠剤を入れるケースや靴などを乗せて行うぐらいでもいいと思います。少しずつチャレンジをしてみましょう。
応援しています。
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